空華第一二号

 空華六周年の第一二号です。今回も、四人の手による同人誌が出来上がりました。
 巻頭は、第一一号と同じく、短歌を掲載しました。短歌は、前号の大坪命樹に加え、藍崎万里子の歌も掲載しました。一人十首ずつ選んで、自由詠のものを集めてあります。短歌好きの方も、当同人の短歌を一度、味わってみて下さい。
 小説の方は、一番目は、大坪命樹著「ジオハープの哀歌」です。この小説は、大坪の憧れのミュージシャン柴田淳嬢に捧げたものです。建築家のミュージシャンへの恋愛のストーリーが、反政府的思想を交えながら、首都圏に大地震が起った設定で描かれている、ちょっとしたサクセスストーリーです。大坪の小説にしては珍しい種類のものなので、ぜひ御覧になってみて下さい。
 二番目は、冬月著「自分の星」です。数学に才能を見出された主人公雄一の、貧乏に負けずに苦学して大学院に入り、研究者として論文を書く短い人生が、簡潔な文章で悲劇的に描かれています。才能とは何か? 名声とは何か? そういったことを、いろいろ考えさせてくれるような、弱者目線の小説は、読むものに共感を持たせます。今までの冬月さんの小説とは、一風異なりますので、ぜひ御一読下さい。
 三番目は、藍崎万里子著「喫茶店」です。結婚を認めてもらうために、旦那の母親に保証人の印鑑を押してもらうときに待ち合わせた、風変わりな喫茶店。その珍妙でしみじみとした美しさが味わい深いです。際立ったプロットのない短編小説ですが、藍崎の新境地でもあります。明るいエンディングに、みなさんは何を感じるでしょうか? ぜひ御一読戴きたい一作です。
 最後は、杜埜不月著「浦島花子物語」です。双子に生まれながら、出来の良い姉を持って、日陰ばかりにいて劣等感を抱いて育った主人公。姉の結婚式で、前後不覚になるくらいの大暴動を起して、精神病院に入れられます。その精神障碍者の一生を、独特の視線から描いています。かなりアイデアの詰まった小説で、最後まで飽きさせません。一度、読んでいただきたい作品です。
 そのあとに、連載「そらばなし書評」を掲載しております。保坂和志著「季節の記憶」の大坪の書評と、村田沙耶香著「コンビニ人間」の藍崎の書評、そして三浦綾子著「塩狩峠」の杜埜の書評を載せております。読書の参考にどうぞ。
 今回は、ページ大増量の空華になりました。力作揃いです。

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